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第71回農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ (レースラップはどのようにして作られるのか)


昨年の阪神JFの結果を眺めながら、今一つ腑に落ちないことがあります。
レースラップが
12.2-10.7-11.9-12.2-12.1-11.0-11.8-12.2
後3F目からのスパートとなり、追い込み決着となりました。
なので、勝った2頭は展開面に恵まれていたんじゃないかとという判断を下しました。
しかし結局春のクラッシックは想定以上に上位3頭がそこそこ健闘したのも事実です。

少なくとも昨年の阪神JFで能力上位3頭だったのは間違いないでしょう。
追い込み決着になったあのレースラップの印象だけなら
上位の馬はもっと弱いはずです。

また、後3F目からの早めのスパートになり、先行馬が壊滅しましたが
それを予め予測できていれば、予想はもっと楽になった気がします。

あのレースラップを事前に予測するのは不可能だったんでしょうか。
この点をクリアできれば自分自身の予想能力が一段上がる気がします。



まず、2006年以降の阪神JFのレースラップを見ていただきます。
2019阪神JF07

阪神JFのレースラップは3つに分割できると思います。
①最初の2F
②中間の3F
③後3F

①最初の2F
この2Fで位置取り争いが行われます。
ここで大事なのは、基本的に位置取り争い2Fで終わるという事です。

②中間の3F
3F目からペースが落ち始めます。
上表の緑色は、中間の3Fで11.9以下の場合に着色してます。
全く緑色の無い緩いペースのレース
3F目だけ緑色の平均ペースのレース
中間3F中、2Fが緑色のかなりきつめのペース
全部緑色の超ハイペース
に分けられます。

結論から申し上げると、中間のペースを作るのは逃げ・番手の馬だと思います。
そして中間が速くなるのは、2パターンがあって
1)逃げ・番手の馬が、単距離出身馬
2)逃げ・番手の馬が人気を背負うような実力馬
だと思います。

③後3F
赤色に着色してあるのは、11.5以下のラップ区間です。
基本的に後2F目がトップスピードになっているのがわかると思いますが
昨年はこれが後3F目が赤です。
このスタート位置の違いを作るのは、(実力のある)人気馬ではないかというのが今回の仮説です。
なので、場合によってはスパート位置は予測できるのではないかという考え方です。

例えば昨年のレース、これが何故後3F目からのスパート戦になったのがレース動画をじっくり見ました。
1番人気だったダノンファンタジーは3コーナー入り口でもまだ後方4番手くらいです。
■残り距離別の隊列
・赤色 ダノンファンタジー
・黄色 クロノジェネシス
2019阪神JF08

残り1200m>1000m>800mの隊列は若干短くなった感じですが、大きく変わっていません。
しかし-3F地点(4コーナー出口付近)では、
ダノンファンタジー 先頭から1秒差
クロノジェネシス 先頭から1.2秒差

1秒差というのは約6馬身と言われています。
残り800m付近ではそれよりはるかに離れているのがわかります。

っこで考えたいのは「何故 後3F目がトップスピードになるような早めのスパート戦になったのか」です。
基本的に逃げ・番手の馬はスパートをできる限り遅らせたいと考えていると思います。
それが早めにスパートせざる負えない状況に追い込まれるのは・・・?

お気づきの方も多いと思いますが
恐らく、後ろの馬が横に並んでくるからですよね。
だから自分の馬もスパートせざる負えない。
じゃ何故後ろの馬が、昨年は速めに並びかけたのか?
これも更に後ろの馬が早めに並びかけたからでしょう。
じゃ何故更に後ろの馬が早めに並びかけたのか?
もうお分かりだと思いますが
(後方にいた)ダノンファンタジーが早めに先頭集団にとりついてきたからですね。
なので、前の馬は必死に追いつかれまいとスパートする→後3F目がトップスピードになる。
これが真相なんじゃないかと思います。
よく追い込み馬はレースを自分で作れないからというフレーズを聞きますが
強い追い込み馬は自分でレースを作れると思います。

次の表をご覧ください。
2019阪神JF09

数字が沢山ならでごちゃごちゃして分かりにくいと思います。
全部説明するのは時間もないので、昨年と同様の追い込み馬が1番人気だったケースに絞って説明をさせていただきます。
何故なら今年も追い込み馬が1番人気だと思われるからです。

2018年の欄をご覧ください。
「位置取り」は-3F地点での先頭とのタイム差を表記しています。
「人気」は文字通りレースでの当日人気です。
左側に各番手ごとの2010年以降の平均の数値が書いてあります。
これと比較すると、該当年の隊列が長かったのか短かったのかわかります。

例えば2018年は16番手にダノンファンタジーがいて、先頭とのタイム差は1秒です。
平均は1.222なので0.222速いことになります。
わずかなようですが、0.222でも馬身にすると1馬身以上になります。
先頭から1秒以内(=約6馬身)に16頭がひしめき合っている状態に、平均より1馬身前に追い込み馬がいる事を創造すると結構インパクトは強くないですかね?

なので少なくとも昨年の阪神JFの後3F目がトップスピードになるレースラップを作り出したのはダノンファンタジーではないでしょうか。
グラフにするとわかりやすいと思いますが
2019阪神JF10

後3F目のトップスピードが、平均を上回るスピードを記録して、先行馬を潰して勝ったダノンファンタジーは展開面で恵まれた点はあるにせよ、実力はあったと評価すべきだったんだと思います。

また表に戻って、次に追い込み脚質の馬が人気だったのは2014年です。
この年はロカが新馬戦で33.2秒の脚を使ったのが評価されて1番人気でした。
結果的にレースラップは後3F目が11.4でトップスピードになり
14番手の馬が1着
10番手の馬が2着
8番手の馬が3着でした。
昨年ほどではないにせよ、差し決着です。
ロカ(8着)がもう少し強ければもっと追い込み馬が好走するずぶずぶの決着になったかもしれません。

その次に追い込み馬が人気だった年は2013年です。
この年の1番人気はハープスターでした。
この年は大逃げの馬がいて、隊列が非常に長くなりました。
レースラップは11.4-11.5-12.3なのでトップスピード区間は後2F目ですが
大逃げで戦闘が離していた点、ハープスターは1.9秒も離れていたことを考えると
十分後3F目は速くないですかね?
1着 8番手
2着 14番手
3着 5番手

2番人気のホウライアキコ(それまで3戦して全て2番手以内)は7着に負けています。

2012年も比較的後方の馬が1番人気でしたが、この年は超ハイペースで全体的に後半失速しているのでサンプルとしては適切ではありません。

この後3Fは強い馬がラップを作るという仮説は、言われると思い当たるレースがいくつもあります。
例えばオルフェーヴルの菊花賞
オルフェーヴルが10-10-6-3でまくると後3Fのレースラップが
11.5-11.6-12.0

1着 3角6番手
2着 3角16番手
3着 3角8番手
とか

人気の追い込み馬がいるレースは、逃げ・先行馬がつぶれるという事を頭の隅に入れておいた方が良いかもしれません。
※その人気の追い込み馬が好走するとは限らない(実力が伴わないとダメ)





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